東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)とJR東日本スタートアップ株式会社が主催するビジネス創造活動「JR東日本スタートアッププログラム2021」にて、協業企業として採択されました。
■ 「JR東日本スタートアッププログラム」について
本プログラムは、ベンチャー企業などから、駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案を募り、ブラッシュアップを経て実現していくプログラムです。5回目となる「JR東日本スタートアッププログラム2021」は、「地域共創」「デジタル共創」「地球共創(SDGs)」の3つをテーマに掲げ、合計154件の応募の中から13件が採択されました。
■ 「IoTエコシステムを活用したデジタルツイン環境の構築」で協業
この度「デジタル共創」の分野において、MODEの「IoTエコシステムを活用したデジタルツイン環境の構築」が協業事業として採択されました。この協業を通して、様々なセンサなどからのデータの取得・活用を可能にする建設DXプラットフォーム開発により、鉄道建設工事の安全性向上・生産性向上を目指します。
■ 背景
現在、建設業全般における課題には以下のようなものが挙げられます。
- 人口減少により仕事の担い手不足・技術者不足が顕在化
- 稼働している機械設備等の老朽化と、そのメンテナンス・強靭化にかかる工事頻度の増大化
- 工事等の作業現場における全体の作業進捗、トラブル発生等の精密な把握が困難
- 保安要員の確保と保安状況の管理コストの増加
- 地球温暖化の影響で作業員など工事関係者の熱中症リスク増大
これらを全て解決するためには、安全性を確保しつつ管理コストを下げるという矛盾が発生します。同時に、今すぐ作業管理を改善しなければ、現場が破綻し事故事象に繋がるという危機的状況にも直面しています。 こうした背景のもと、MODEでは「JR東日本スタートアッププログラム2021」への採択を契機に、工事現場のデータを収集し、その計測・分析データから課題を見つけ解決に取り組む建設DXプラットフォームの開発により、複雑な鉄道建設業務のスマート化を実現します。
■新機能の活用シーン
今回のクラウド録画の拡張により、全国各地で行われている工事の現場などの業務の記録として動画を自動的に本社のクラウド環境に蓄積することができます。
また、ビジネスの現場にAIを導入する際の大きな障害となるAIの学習用の大量の画像・動画データの収集を多くの人手をかけることなく自動的かつ継続的にクラウドに収集することができます。
■ 建設DXプラットフォーム実現化のための実証実験について
MODEが目指す建設DXプラットフォームは、個別システム構築ではなく、様々なセンサデータを1つのプラットフォーム上で統合的に可視化します。まず、改善前の現場の作業パフォーマンスを計測し、様々なデジタル導入で現場業務をアップデートします。その後、改善前のデータとの変化を比較・分析することで効果を測定し、新たな改善点に取り組む持続的なPDCAサイクルを回します。 現在、JR浜松町駅の夜間改良工事にて、全体把握が困難な夜間工事のデジタルツイン化する実証実験を行っています。