現場データの活用を支援するシリコンバレー発スタートアップMODE, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、日本支店:東京都千代田区、CEO:上田 学、以下「MODE」)は、株式会社日立リアルエステートパートナーズ(本社:東京都千代田区、取締役社長:田中 憲一、以下「日立リアルエステートパートナーズ」)とともに、建物保全業務のDX推進を目的とした実証実験を開始しました。
本実証は、現場の定期点検業務における「アナログメーターの計測」と「手入力での記録作業」の効率化に焦点を当て、現場特化型AIアプリケーション「BizStack」およびAIカメラを活用した保全業務の自動化・遠隔監視の実現可能性を検証するものです。
背景と課題
建物保全業務の現場では、依然として人手による巡回点検が主流であり、多くの作業が紙やタブレットへの手入力で記録されています。また、目視や聴覚・嗅覚などの「五感点検」も日常的に行われています。こうした運用には、以下の課題が存在します。
- 人的負荷の増加:定期巡回や記録業務に多くのリソースを要する
- データ活用の遅延:データ加工・報告に時間がかかり、予兆分析などへの活用が進まない
- 遠隔支援の難しさ:現場外からの正確な状況確認が難しく、特に障害発生時のリアルタイムでの対応が困難
実証実験の概要
IoTプラットフォームの導入により点検データを自動蓄積、各種帳票類の生成自動化、現場作業者への業務アシスタントを検証し、遠隔監視による効率的かつ高品質な保守管理の実現を目指す本実証では、日立リアルエステートパートナーズが管理する施設において、以下の検証を行います。
- AIカメラによるアナログメーターの自動読み取りとデジタルデータ化
- BizStackにデータを収集し一元管理することで、点検業務の記録・報告作業の効率化
- BizStack Assistantとの対話による、データの簡易検索、データ集計を通じた業務の遠隔解決
これにより、点検作業の一部自動化と、業務省力化に向けた基盤の構築を狙います。
- 実施期間:2025年10月1日〜12月31日
今後の展望(ビジョン)
本実証実験は、将来的な建物保全業務のDX化に向けた第一歩であり、今後の展望として以下のような進化を見据えています。
- IoTによる常時監視と自動記録
各種センシング技術を活用し、建物・設備の状態をリアルタイムに自動収集・記録。常時モニタリング体制を実現します。 - 検針業務の省力化
検針値の読み取りと記録を自動化することで、限られた人的リソースでも五感点検へ集中的に活用可能にします。 - 保全データの統合とAI分析
BizStack上で点検データを一元管理し、AIによる異常傾向の検知や予兆分析を通じて、戦略的な保全判断を実現します。 - 遠隔支援が可能な運用基盤の構築
現場外からのリアルタイムな状況把握や指示出しを可能にし、物理的な制約にとらわれず複数の拠点を同時に運用できる体制を実現します。 - 障害対応の迅速化とAIによる現場サポート
トラブル検知時にはアラートやメール通知を送信。AIアシスタントが初動対応を支援することで、対応スピードと精度の向上を図ります。
BizStackとは

「BizStack」は、現場のリアルタイムデータや既存システムのデータを一元的に統合し、AIを活用した直感的な操作による業務効率化や安全性向上を実現する次世代のデータ統合ソリューションです。
建設・製造・物流などの「現場」で発生する多様なデータをつなぎ、センサーやカメラからのIoTデータ・既存の業務システム・SaaSなどから取得した情報をリアルタイムに収集・解析できます。
